- 音楽用語:コード進行関連 -
コード進行
曲中のコードの推移・展開のことを指します。
トニック・コード
曲中において、キーの主音(トニック)をルートに持つコードのことを指します。 コード進行として、最終的に終止するコードになります。 キーとの関係で捉える必要があり、転調すればトニック・コードも同時に移動します。 日本語では主和音と言います。
ドミナント7th・コード
曲中において、キーに対して完全5度の音(属音)をルートに持つセヴンス・コードのことを指します。 トニック・コードに対して不安定な響きを多く含み、その後の展開でトニック・コードに進行した時の音の動きでより解決感を強く感じさせる要素を持っています。 日本語では属和音と言います。
サブドミナント・コード
曲中において、キーに対して完全4度の音(下属音)をルートに持つコードのことを指します。 トニック・コードに対してやや不安定な響きもありながら、展開としてはトニック・コードに準じるような安定感もあるコードで、コード進行上では展開を部分的に安定させるような響きを持っています。 日本語では下属和音と言います。
ケーデンス
コード進行の展開の終止に至る動きのことを指します。 日本語では終止形といいます。 コード進行の最終的な落とし所の展開で、基本はドミナント7th・コードからトニック・コードへの進行といえます。
代理コード
コード進行上で、トニック・コード、サブドミナント・コード、ドミナント7th・コードについて、それぞれの役割を、響きの似ている別のコードに肩代わりさせることがあります。 その時に、代わりに使われるコードのことを代理コードといいます。
クリシェ
同じコードが数小節に渡って連続して続く場合に、そのコードの構成音の一部を継続的に半音ないし全音変化させ、段階的に変化する音のラインを形成することを指します。 そのような変化によって得られる音のラインを、クリシェラインといい、クリシェラインがベース音で作られるケースをベースライン・クリシェといいます。
ブルーズ進行
ブルーズにおいて定型的に用いられる、12小節で1ループになるコード進行のことです。 具体的には、コードを度数で表記すると、小節ごとに「I7 - I7(IV7) - I7 - I7 / IV7 - IV7 - I7 - I7 / V7 - VI7 - I7 - I7(V7)」という形の進行になります。 全コードについて、ダイアトニック・コードには含まれないマイナー7thの音を含み、またクラシックでは禁則とされるドミナント7thからサブドミナントへの逆進行を持つというところが特徴で、クラシック系の音楽理論では解釈しきれない要素を持っています。 ブルーズやロック系のプレイヤーの間では、ジャム・セッションの時にお約束のコード進行として使われることも多くあります。 スリーコードとも呼ばれます。 (蛇足ですが、トニック・コード、サブドミナント・コード、ドミナント7th・コードというコード進行上の主要な役割を持つ3つのコードを指して、スリーコードと称するという誤解もままあるようです。)
- 音楽用語:スケール関連 -
メジャー・スケール
1オクターブ7音で構成される基本となる音階で、メジャー/マイナーを決める3度の音が長3度に来ている音階です。 長音階とも言います。 度数で表記すると、「P1st - M2nd - M3rd - P4th - P5th - M6th - M7th」となり、それぞれの音程間の音程差は「全・全・半・全・全・全・半」となります。
マイナー・スケール
1オクターブ7音で構成される音階で、メジャー/マイナーを決める3度の音が短3度に来ている音階です。 短音階とも言われます。 マイナー・スケールには、メジャー・スケールの第6音が主音となり、構成音が同一のナチュラル・マイナー・スケール(自然的短音階)、ナチュラル・マイナー・スケールのうち、第7音を半音高くして、主音と半音差にすることで7thから主音への解決感を強くしたハーモニック・マイナー・スケール(和声的短音階)、上行の時のみに使われる、ナチュラル・マイナー・スケールの第6音と第7音をそれぞれ半音高くしたメロディック・マイナー・スケール(旋律的短音階)の3種類があります。 メロディック・マイナー・スケールについては、下行時はナチュラル・マイナー・スケールと同じ構成音になります。 マイナー・スケールで基本とみなしても差し支えないであろうナチュラル・マイナー・スケールは、度数での表記をすると「P1st - M2nd - m3rd - P4th - P5th - m6th - m7th」となり、それぞれの音程間の音程差は「全・半・全・全・半・全・全」となります。
ペンタトニック・スケール
広義には、1オクターブが5音で構成されているスケール全般を指します。 一般的には、より狭義に捉えて、メジャー・スケールの構成音から半音間隔を構成している4度と7度の音を除いた5音で構成されるスケールを指します。 そのため、メジャー・ペンタトニック・スケールは、メジャー・スケールの四七抜きのスケールになります。 また、メジャー・ペンタトニック・スケールにおいても、メジャー・スケールの時と同様に主音を第6音に移すと、マイナー・ペンタトニック・スケールになります。
チャーチ・モード
教会旋法とも呼ばれるスケール群で、メジャー・スケールの構成音をそのままに、主音だけを各音程に移した7つのスケールのことを総じてこう呼びます。 チャーチ・モードを意識したアプローチをすることを、モーダルなアプローチと称することもあります。 メジャー・スケールと一致し、ダイアトニック・スケールとも呼ばれる「イオニアン・スケール」、メジャー・スケールの第2音から積み上げた音階と同じ音程差を持つ「ドリアン・スケール」、同じくメジャー・スケールの第3音から積み上げた音階と同じ音程差を持つ「フリジアン・スケール」、第4音から積み上げた音階と同じ音程差を持つ「リディアン・スケール」、第5音からの「ミクソリディアン・スケール」、第6音からの「エオリアン・スケール」(=ナチュラル・マイナー・スケール)、第7音からの「ロクリアン・スケール」の7つが、チャーチ・モードに属する7つの音階になります。
チャーチ・モードの7つのスケールの内、ダイアトニック・スケールの主音と、その属音(5度上)、下属音(4度上=5度下)の音を主音とする、イオニアン・スケール、リディアン・スケール、ミクソリディアン・スケールは、3度の音程が長3度にくるメジャー系のスケールになります。 それ以外の、ドリアン・スケール、フリジアン・スケール、エオリアン・スケール、ロクリアン・スケールは、3度の音程が短3度にくるマイナー系のスケールになります。
ブルーノート・スケール
ブルーズや、ブルーズをモチーフにしたジャズなどでよく使われるスケールです。 ブルーノートの3度と7度の音程をm3rd、m7thとみなすと、ペンタトニック・スケールではマイナー・ペンタトニック・スケールが完全に一致します。 これをブルーズ・ペンタトニック・スケールとも言います。 ここに減5度のブルーノートを加え、さらにM2ndとM6thの音程を補完したものが、ブルーノート・スケールになります。 構成音を整理すると、ブルーノート・スケールは、チャーチ・モードのドリアン・スケールに対し、減5度を加えたスケールになります。
クロマチック・スケール
1オクターブが12音で、すべての音程間が半音間隔になっているスケールのことを、クロマチック・スケールといいます。 半音間隔に音程が並んでいることが特徴です。
ホールトーン・スケール
総ての構成音が全音間隔で並んでいる、1オクターブ6音のスケールです。